コミック・同人

しっとりした百合物語たち 厳選3作品のレビュー

女の子同士で、純粋で儚く美しい、学生の恋愛をみたいですか?

それとも、欲望に忠実なレズカップルの夜を覗き見たいですか?

今回の記事では、そのどちらもが体験できる、秀逸な百合同人・エロ作品をご紹介します。あなたも百合の蕾の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

 

十二時の魔法使い

「Cコード」という恐ろしい感覚操作アプリを使って、セックスを愉しむレズカップルの物語。発売サークルはハードな百合モノで有名で、今作もマニアックでハードなプレイとなっています。

純粋にレズもののエロとして楽しめる作品ですが、ストーリーも素晴らしく、二人の関係性をじんわり堪能することができるはず。ハードな作風そのまま、ストーリーの展開も急激に二転三転していくので純粋に読み物としても楽しめました

 

 

百合の蕾が咲く頃に

百合界隈で代表的な作家syou。すべてが百合で構成された初の作品集です。レズというよりも、好きになった人がたまたま女の子だった、というような純粋な百合が特徴です。作画も淡くて繊細な描写で、その年頃の女の子のもろさや儚さを表現する一方で、まっすぐな内面の表現が秀逸です。

どの作品にも共通して感じるのは、どれも暖かくてほっこりするような気持ちになること。相手が好きだという気持ちが表情や細かな仕草を通して伝わってきます。もちろんHな行為もありますが、お互いに気持ちよくなるためだけじゃなく、心から好きという気持ちを伝えるためなんだというのが実感できる尊さを感じます。いやぁ尊いな…(語彙力)

 

 

二人の過去はままならない

主人公は、かつての恋人だった女の忘れ形見である娘を引き取り、物語が始まります。主人公は娘に恋人を求め、反対に娘は主人公に母を求める共存(共依存)な関係。それだけなら複雑な依存関係としてまとめられるのですが…。最後には度肝を抜かれる展開をみせます。

作者は『十二時の魔法使い』と同じ春待氷柱。娘は真夜中にママ(主人公)のベッドを訪れ、愛情を求めます。甘えん坊な年頃の娘を優しく受け止め、情熱的なディープキスをする。そんな常軌を逸した光景も普通の日常として扱われています。

その展開から、シリアス全開なレズものかと思ったのですが、意外にも納得感のあるシナリオで幕を閉じます。単純な訳あり母娘ではなかったわけです…。気になる方はぜひ読んでみてください。